旧形式の機器を流用し、吊り掛け駆動で登場した小田急4000形。
1985年から高性能化と冷房化を伴う改造が行われましたが、改造後もその異端車ぶりは健在でした。

小田急の通勤型車両は、アルストムリンク式の台車を装備するのが基本でした。
4000形は違っており、当初パイオニアⅢ台車を装備していたのですが、その後TS台車が混ざるようになりました。

高性能化の際にパイオニアⅢ台車を淘汰することになったのですが、この時に交換された台車もTS台車でした。
当然乗り心地も他の形式とは違い、小田急らしくないゴツゴツとしたものでした。

さらに独特なのが台車に付くブレーキディスクで、4000形最大の特徴だったといえます。
高性能化後は、M車にのみ外側に付くブレーキディスクが光っていました。

そして、ブレーキ関係では電制を持たないことも特徴の一つで、発電制動も回生制動も装備していません。
制動を開始しても静かで、とにかく乗っていて違うのが4000形でした。

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足回り以外は比較的小田急らしい姿でしたが、冷房関係は当時製造されていた8000形に合わせたものとなっており、他の小田急顔形式とは違っています。
前から見ると他形式と大差がないのに、側面から見ると大きく異なる、4000形はそんな電車でした。

異端車だからこそ味があった4000形。
高性能化後も編成ごとの差異が色々とあり、面白く大好きな形式でした。