最近の車両では目立たなくなりましたが、小田急では前面の運転席側下部に、黒い防護板が付いています。
小田急顔の車両で特に目立っていて、デザイン上の存在感も大きいものでした。

この前面防護板ですが、昔の写真を見るとそもそも設置されていません。
色々な写真が撮影された時期や、個人的な記憶から推測すると、1990年代の前半に設置されたようです。

そうなると気になるのが、これが設置された理由です。
形式によって異なるのですが、基本的に運転席側のみに設置されているので、そこに理由があるということになります。

この防護板の設置理由は、どうやら人身事故に対する対策のようなのです。
以前聞いた話では、人身事故の発生時に運転士が負傷するという痛ましいことがあり、それを機会として設置されたとのことでした。

前面ガラスも強度を増したものに交換したようなのですが、これについては確証がありません。
いずれにしても、悲しい事故によって設置されたものだったようです。

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小田急顔の車両では、この前面防護板が特に目立ちました。
前面ガラスの支持方式についても、Hゴムから押さえ金式に改造されていましたので、できる範囲で少しでも安全性を向上させるための取り組みが行われていたのでしょう。