ハイデッカーを採用し、カラーリングの変更で小田急ロマンスカーのイメージを変えたHiSE。
後に続く2車種が前面展望構造を採用しなかったため、VSEの登場までは最新の展望車となっていました。

小田急における展望車の歴史は、3100形ことNSEから始まりました。
7編成が在籍したNSEのインパクトは大きく、小田急ロマンスカーといえば展望車というイメージを定着させました。

NSEの運転席は、側面から見ると分かるとおり、先頭部からかなり後退した部分に位置しています。
運転席から前を見ると、展望席の屋根がよく見えたそうです。
側面から見ると、展望席の側窓が切れるあたりに運転席があります。

NSEの流れを汲んで登場したLSEでは、全体的な印象こそ似ているものの、運転席の位置がやや前に出てきており、展望席の上部に配置されました。
この流れはその後も続き、HiSEでは運転席がさらに前に出てきています。

HiSEの場合は、展望席と運転席の傾斜が一体となり、シャープさが強調されました。
ハイデッカーを採用した関係で、運転席を前に出さなければいけないという構造上の理由もあったのだとは思いますが、ここにデザインの転換点を見ることができます。

展望車はHiSEからしばらく登場しませんでしたが、VSEで待望の復活を果たします。
この際の構造は、位置こそ奥には戻ったものの、展望席と運転席の傾斜が一体になったものでした。
GSEにもこの流れは続いており、一体感が強くなっています。

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GSEを見ていると、どこかHiSEに繋がるデザインを感じますが、前面に愛称表示がないことだけではなく、この構造が影響しているのだと思います。
GSEに懐かしさを覚えるのは、そういった部分の影響もあるのかもしれませんね。