8両固定編成の通勤型車両、西武3000系と小田急2000形です。
数えてみるとどちらも9編成で、どこか似ていることに気付きました。

西武3000系は、101系列の後継車両として製造され、3扉の車体に2000系と同等の足回りを組み合わせました。
省エネルギーが求められる中、池袋線に4扉の2000系を投入することを避け、保守的な設計で投入された形式です。
保守的な設計ながら、足回りは2000系と同等の機器を装備しました。

3000系の特徴として、他系列との併結を考慮していない設計があります。
廃車まで単独で使われ、どこか孤独な形式でした。
そのせいか、8両編成9本が製造されたのみで、比較的少数派の形式となっています。

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小田急2000形は、1000形の後継として製造されました。
扉の幅を広げた車体に、最新の機器やボルスタレス台車を搭載しました。

それまでの小田急では採用を見送っていた機器を搭載し、併結運転を考慮していない形式です。
そういった意味では意欲的なのですが、戸袋窓を残したり、保守的な面も目立ちます。

10両化して地下鉄に直通することを想定していましたが、結局現在までそのまま使われています。
ずっと単独で使用されており、小田急の中では用途が限定される形式です。

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どちらの形式も、比較的少数のグループを形成しました。
早いうちにどちらも次期形式へと移行し、その繋ぎ役となってしまったのです。

制限がある中で、単独使用を前提とすることで、取り入れられるものを導入した両形式。
しかし、結果的にそれが障害となり地味な存在に落ち着きました。

その後に登場した形式が、大量増備されることになったのも似ています。
西武は結局4扉に移行し、新2000系を大量に製造していくことになりました。
小田急は3000形での大量置き換えを開始し、汎用性を重視した設計に戻りました。

細部はもちろん異なりますが、どこか境遇が似ている両形式でした。