小田急における優等列車の主役として、小田急線内を走り回る快速急行。
多摩線にも走るようになったことから、全線で走っていない区間がない種別となりました。

その快速急行は、2004年12月11日のダイヤ改正で登場しました。
このダイヤ改正は、梅ヶ丘から喜多見までの複々線化が完成したことに合わせたもので、これにより速達性を高められるようになったことが、快速急行登場の直接的な理由です。
急行系列車の直前に新宿や新百合ヶ丘を出発した列車は、通過区間を抜ける駅で1本前の急行系列車に追いつくダイヤで、感覚的には10分程度の短縮でした。

湘南急行や多摩急行が登場していたとはいえ、それまでの主力は急行で停車駅も多く、小田急の優等列車は遅いというイメージを強くする原因となっていました。
そこに登場したのが快速急行で、下北沢から新百合ヶ丘までノンストップという停車駅の設定は、相当な衝撃でした。

かつての快速急行は、1時間に3本が基本の設定となっており、江ノ島線に2本、小田原線に1本が割り振られていました。
2600形と4000形は残念ながらこのダイヤ改正より前に引退したため、快速急行に充当された形式は9000形以降となっています。

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ダイヤ改正当日、今は地下となった区間を走る快速急行です。
下北沢を出発した快速急行は、ここから新百合ヶ丘までノンストップ、通勤型車両による速達列車が登場した瞬間でした。

このダイヤ改正の後は、残り区間の複々線化工事がいよいよ本格化し、都心部の沿線風景は大きく変化していくことになります。
複々線化の成果として登場した快速急行、昔の小田急を思い出すと、信じられないような種別の登場でした。