新しい技術を積極的に導入しながら、保守的な部分も存在する、小田急とはそんな会社です。
その小田急が3000形まで頑なに採用を続けた、ある設備がありました。

正確には3000形の1次車までの採用で、側面に見られる戸袋窓です。
国鉄や京王等も採用を続けた会社ですが、小田急はかなり粘って採用を続けていました。

小田急が戸袋窓を採用したのは、車内を明るくするためのようで、現在でも8000形や1000形に乗ると違いがよく分かります。
実際に車内には外の光が多く入り、開放的な雰囲気が漂います。

3000形でついに妻窓が廃止となってしまいましたが、1次車では戸袋窓が残っていました。
この部分に小田急らしさを少し感じられたわけですが、標準化の流れは容赦なく訪れ、2次車以降ではついに小田急からも戸袋窓が消滅してしまいました。

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写真の3254Fが、小田急で最後に戸袋窓を採用した車両となりました。
小田急の車両には戸袋窓があるという伝統は、こうして終わりを告げたのです。