2020年3月26日の営業運転開始に向けて、試運転が繰り返されている小田急5000形。
4000形以来約13年ぶりとなる新型通勤電車は、小田急ファンからも好評な声が聞こえてきます。

その理由の一つと考えられるのが、2000形以来となる拡幅車体の復活です。
車体の幅は2,900mmとなり、この幅は8000形以来のものとなります。
8000形を置き換える車両が、久々に同じ幅を採用するというのも皮肉なものです。

この2,900mmという幅は、1964年に登場した2600形で初めて採用されました。
輸送力を最大化するために車体を大型化し、その後の通勤型車両の礎となりました。

さて、この2600形と今回デビューする5000形にはある共通点があります。
登場が1964年、どこかで見た西暦です。
そう、東京オリンピックが開催された年に2600形はデビューしたのです。

5000形がデビューする今年、2020年も東京オリンピックが開催される年となっています。
拡幅車体を初めて採用した車両と復活させた車両、不思議な運命を感じます。

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5000形は、従来のカラーリングのイメージを残しつつ、久々にデザインが変更されます。
帯を巻くという部分は継承しつつ、2色帯としてイメージを一新します。
こんなところにも、実は2600形との共通点があります。

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アイボリーにブルーの帯を巻く塗装に変更されたのは、2600形が最初でした。
登場年とは直接関係がありませんが、意外な共通点です。

2600形の登場から55年以上が経過し、2,900mmの車体が小田急で再び採用されました。
以前の小田急を知る者として、この転換はとても嬉しいことなのです。