普段は小田急の記事ばかりを書いていますが、先日京王7000系の10両に廃車が発生したのを知り、少し衝撃を受けています。
首都圏を走る私鉄にも、いよいよステンレス車の本格的な廃車が始まるのを感じてしまったのです。

京王7000系は1984年に登場しました。
この頃は、普通鋼の採用を続けていた首都圏の鉄道会社が、徐々にステンレス鋼に移行する時期で、国鉄205系、小田急1000形、東武9000系等も登場しました。

そして、昔からステンレスやアルミの車体を採用していた東急や東京メトロでは、古い車両の足回りや内装を更新し、延命を図るようになりました。
車体が腐食しにくいことから、それ以外の部分に手を入れれば、長く使えるというのがアピールされていたのを覚えています。

大不況だった平成初期、使える車両は長く使うというのが徹底されていたように思います。
老朽化が目立つ車両も首都圏では走っており、ステンレスやアルミの車体の優位性が余計に目立っていたような気がします。

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しかし、その流れは徐々に変わっていきます。
足回りや内装を更新して長く使おうとしていましたが、技術の発展や、求められる車内のサービスレベルが上がっていくのです。

各社の更新は大規模なものとなっていくのですが、置き換えたほうが効率が良いと判断する会社が徐々に増えていったように思います。
それまで車両を更新して延命していた会社が、比較的早期に置き換えを行うようになっていきました。
ステンレスやアルミの車体を採用した車両も例外ではありません。

京王が7000系を置き換えるというのは、後発組にもその流れが訪れたのを実感させます。
小田急でも、ワイドドア車の1000形が廃車される時期が近いものと思われます。
更新した車両が廃車になったり、更新をせずに廃車とするようになってきています。

JR東日本ではステンレス車をどんどん置き換えていますが、私鉄では車両を更新して長く使う流れがまだあります。
しかし、更新をせずに置き換える事例も増えてきました。
今後はある程度の年数で車両を置き換え、大規模な更新はしないという方向性が増えていくような気がしています。