小田急小田原線の起点であり、毎日多くの乗客が行き来する新宿駅。
地上に3線、地下に2線を有しており、発着する列車を効率的にさばいています。

この新宿駅ですが、過去に2回の改良工事が行われています。
1964年に現在のような構造になった新宿ですが、想定していた以上に編成を増強する必要に迫られてしまい、早々に拡張を行うことになってしまったのです。
2回目の改良工事が終わったのは1982年で、このタイミングから使用を開始したのが、今回ご紹介する案内装置です。

その装置とは、ホームにランプを埋め込み、それの点滅や点灯によって乗車位置を案内するというものでした。
3扉と4扉が混在していた当時、列車によって乗車位置が異なっていたことから、このような仕組みが採用されました。
案内上は足元ランプと呼ばれ、次の列車を待つ乗客への案内を行っていたのです。

その仕組みとは、先に発車する列車の乗車位置の足元ランプを点滅させます。
点滅している足元ランプは乗車位置ですので、車両が止まるとドアが正面になります。

2台目の発車となる列車には、足元ランプの点灯によって並ぶ位置を案内していました。
先に発車する列車が到着すると、足元ランプの表示が変わり、点滅しているランプのところに動くよう案内されます。

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このようにして、列車によって異なる乗車位置の案内と、次の列車を待つ場合の列を分けていました。
大型車に統一された後も使われていましたが、乗車位置は固定されていたので、使う理由はあまりなくなってしまいました。

中型車と大型車が混在する中で生まれたこの装置、分割併合が多い小田急ならではのものでした。