小田急で最大の勢力を誇り、全線でその姿を見ることができる3000形。
両数が多いことや、編成の組み替えが行われたことで、バリエーションが豊富な形式です。

その3000形の中で、比較的少数派となっているのが、3251Fから3262Fまでの12編成で、1次車と2次車が該当します。
1次車は唯一のワイドドア車でもあり、多くの仕様変更が行われた3000形の中でも、とりわけ異質な存在となっています。

初期車に分類されるこれらの12編成は、その後の編成と足回りが異なることが特徴で、番台等は分けられていないものの、かなりの違いがあります。
6両の編成で比較すると、初期車が4M2Tとなっているのに対し、後期車は3M3Tとなっており、編成の構成自体が大きく異なっているのです。

近年の車両で4M2Tというのは、随分とパワフルに感じますが、デハ3300とデハ3500の小田原方は付随台車となっており、編成全体で見ると実質的には3M3Tとなっています。

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なぜこのような構成にしたのかはよく分かりませんが、中間車を2両ずつで同じ構成にすることを狙ったのかもしれません。
同様の足回りで8両や10両が登場していたら、どのような車両になっていたのでしょうか。

3000形の増備途中で標準仕様のガイドラインが制定され、それに伴って車体や足回りの変更が発生、数多くのバリエーションが生まれることとなりました。
デハ3300やデハ3500に乗車した際には、モーターの音が聞こえてこない台車を観察してみると面白いかもしれません。