小田急ファンを驚かせることとなった1000形の廃車。
オールステンレスの車体を小田急で初めて採用した1000形は、当然車体の老朽化があまり進んでおらず、リニューアルが進行している最中だったこともあり、8000形よりも先に廃車が発生すると予想していた方は少なかったことでしょう。

予想外のことではありましたが、リニューアルに時間がかかっていることや、2編成で実施された先頭車の中間車化がその後行われていない等、廃車を予見させるような状況ではありました。
廃車の直接的な原因としては、これらが関係していると思われますが、先輩である8000形よりも先に廃車となっているのはなぜなのでしょうか。
8000形は全編成がリニューアルされていますが、鋼製車体の車両であり、陳腐化している部分も多くなってきています。

まずは、8000形と1000形が製造された時期が関係してきます。
8000形が1982年から、1000形が1987年からとなっており、5年程度しか実際には差がありません。
1000形の製造が終了したのは1993年ですから、同一形式として製造されてもおかしくない期間だといえます。

この製造時期が近い点を前提とした場合、近年になってリニューアルをしているかしていないかが運命の分かれ目となってきます。
8000形は一部の編成を除いて足回りを一新しており、3000形や4000形と共通化が図られています。
車体や車内の設備に陳腐化している部分があるとはいえ、足回りは比較的新しい状態となっているのです。

未更新で残る1000形は、VVVFインバーター制御ではあるものの、GTOサイリスタを用いた初期のものであり、近年は部品が入手しにくくなっているとも聞きます。
現在の小田急では少なくなった電磁直通ブレーキを装備していることもあり、足回りの面ではかなり8000形に見劣りする車両となっています。

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このような状況ですから、1000形が8000形に対して優位である部分は、車体がオールステンレスであるという点ぐらいしかないということになります。
さらに、8000形はリニューアルの際に車体の修繕も行っているため、状態がそこまで悪いわけでもありません。
仮に修繕が必要になったとしても、部品が手に入りにくい足回りよりは、車体の損傷部分を修繕するほうが苦労は少ないように思います。

リニューアルに時間がかかり、車両の置き換えが必要なタイミングとなってしまった現在、8000形と1000形のどちらを廃車にするかと聞かれれば、1000形が選ばれる以外にはない状況となっていました。
意外に感じられる廃車の順序ですが、その背景を見ればこれ以外の選択肢がなかったことが分かりますね。

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