代々木八幡駅のホームが2019年に10両分まで延長され、新宿から新松田の区間で10両の各駅停車が走れるようになった小田急小田原線。
それまでは急行や快速急行を中心に走っていた編成が、各駅停車にも充当されるようになりました。

そして、その編成の中で貴重な存在となっているのが、1000形の未更新車による10両です。
廃車とリニューアルが1000形は同時に進められているため、もうすぐ10両の各駅停車は見納めになってしまうかもしれません。

小田急における10両編成の各駅停車

準急以上の優等列車は、早くから多くが10両での運転となっていた小田急ですが、ホームの長さが短い駅があり、2019年まで各駅停車は6両と8両での運転が長く続いてきました。
それまでも10両の各駅停車がなかったわけではありませんが、準急が各駅に停車する区間で運転されるようなものや、途中駅から種別が変わる列車でした。

10両の各駅停車に大きな変化があったのは2014年のことで、多摩線の全駅が10両の停車に対応したことで、線内を往復する10両の各駅停車が多く見られるようになりました。
この10両化は運用を効率化するためだったようで、現在は以前より少なくなっています。

都心部の駅は、複々線化に合わせて各駅のホームを延長し、少しずつ10両に対応した駅が増えてきました。
最終的には代々木八幡だけが8両の長さで残ってしまいましたが、島式ホーム化する改良工事によって10両に対応し、2019年には新宿から新松田の区間は10両の各駅停車が運転できるようになりました。

終焉が近付く1000形の未更新車による10両の各駅停車

10両の各駅停車が多く走るようになったことで、それまでは優等列車を中心として活躍していた編成が、各駅停車にも充当されるようになりました。
その中でも、10両編成となっている1000形の未更新車は少なく、当初から比較的希少な存在でした。

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1000形の10両は、4両と6両を繋いだ編成と、10両固定編成の2パターンがあります。
リニューアルと一部の編成の廃車が進んだことで、どちらのパターンも既に風前の灯となっています。

4両と6両を繋いだ10両は、編成数自体が減少し、1000形同士で組まないパターンもあることから、あまり見られなくなりつつあります。
今後さらに4両の廃車が進むと考えた場合、見られなくなる日は近いといえるでしょう。
10両固定編成については、既に1092Fの1編成のみとなっており、リニューアルのために運用から外れると、その時点で見ることができなくなります。

どちらも消滅までのカウントダウンは始まっていると考えられるため、そう遠くない未来に見ることができなくなりそうです。

おわりに

10両の各駅停車の中では、最も希少価値が高い1000形の未更新車。
2019年から始まった希少な時間は、もうすぐ終わりを迎えることとなりそうです。