東急や東京メトロと比べると遅れていますが、小田急でも徐々にホームドアを設置する動きが本格化してきました。
今後主要駅を中心として整備が進められる予定で、既に本厚木駅でも設置のための準備工事が始まっています。

本厚木で準備工事が始まったことが何を意味しているのか、今回はその点を考えてみたいと思います。

本厚木駅へのホームドアの設置が意味していること

都心部以外では初めてとなるホームドアが、登戸駅に設置され始めました。
この影響で1000形のワイドドア車の使われ方に変化が生じており、一部の運用に充当することができなくなったことから、多摩線を走行する姿があまり見られなくなっています。

小田急でホームドアの設置が進まなかった理由の一つには、このワイドドア車の存在が関係しています

ワイドドア車が走行する区間を限定することで、都心部からホームドアの設置を進めてきた小田急ですが、まとまった数が残っている状況で、主要駅への設置に踏み切りました。

そして、本厚木への設置が近いということは、ワイドドア車が運用できる範囲がさらに狭くなることを意味しています。
一部の編成が廃車となったワイドドア車ですが、まだ5編成が活躍を続けている状況なのです。

ワイドドア車の運用範囲はどうなるのか

6両が単独で走行する運用は、小田原線の町田から小田原、江ノ島線、多摩線を中心に組まれています。
本厚木にホームドアが設置されると、相模大野から新松田までの区間では、ワイドドア車が営業運転をしなくなると想定されます。

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次回のダイヤ改正で運用を整理するのか、一部の運用を飛ばすことで回避するのかは分かりませんが、まだしばらくの間はワイドドア車が残ると考えられるため、何らかの動きがあるものと思われます。
2400形が最晩年に小田原線の末端区間だけを走っていたように、短期間ながら限定運用となる可能性もあるでしょう。

具体的な時期はまだ不明ですが、海老名や大和でも準備工事が始まっており、仮にワイドドア車が残っている段階で設置されると、江ノ島線も走行できなくなります。
このような状況で想定されるワイドドア車の最晩年の走行区間は、小田原線の末端区間と多摩線が有力候補となりますが、江ノ島線の駅への設置を後回しにすることで、もう少し広い運用範囲を維持するかもしれません。

いずれにしても、全ての編成が廃車となる前に限定運用となることが予想されます。
ラッシュ対策の切り札として登場したワイドドア車は、いよいよ最終章に入ることとなるのでしょう。

おわりに

時代の変化に翻弄され続けた1000形のワイドドア車。
改造を重ねることで生き残ってきましたが、引退の日は確実に近付きつつあるようです。