最盛期には180両が在籍し、2012年までに全編成が引退した小田急5000形。
1990年度から車体修理が開始され、2002年度までに全編成が施工されましたが、編成ごとの仕様差が多く、趣味的には面白い状態となりました。

数多くの仕様差の中から、今回は途中の仕様変更で設置されるようになった、6両のドアチャイムについて振り返ってみたいと思います。

1000形から設置されるようになったドアチャイム

5000形のドアチャイムについて書く前に、小田急でいつからドアチャイムが設置されたのかについて軽く触れておきましょう。

小田急でドアチャイムが初めて設置された車両は、1000形の増備途中で登場しました。
それは、1000形で初めて10両固定編成となった1091Fで、続いて登場したワイドドア車の1553Fにも設置されています。

音色は現在8000形で聞けるものと同様で、しばらくはこれが小田急の標準となっていました。
3000形からは若干音色が変わっているようですが、大きくイメージは変わりません。
4000形からはJR東日本で聞けるような音色へと変更され、3000形ではドアチャイムが変更された編成もあり、小田急ならではの音色は少しずつ数を減らしています。

5000形のみで聞くことができた独特な音色のドアチャイム

1000形の増備途中からドアチャイムを採用した小田急でしたが、既存の車両への設置はしばらく行われませんでした。
既存の車両で初めてドアチャイムを設置したのは5000形で、1999年度に車体修理を施工した5265Fから設置されました。

20210213_02

ドアチャイムが設置されていた編成は以下のとおりです。

・5260F
・5262F
・5263F
・5264F
・5265F
・5266F
・5267F
・5268F
・5269F
・5270F

10編成にのみ設置されていたドアチャイムですが、他の形式に設置されていたものとは異なり、5000形のみで聞くことができる独特な音色でした。
どちらかというと主張が激しい音色で、注意喚起という面では良かったのかもしれません。

おわりに

小田急らしくない音色だった5000形のドアチャイムは、10編成でしか聞くことができない少数派でした。
5000形の引退によって、真っ先に消滅してしまった音色ということになりますね。