鉄道車両には欠かせない装備となっている警笛。
車両の存在に気付かせるための警告としての使用のほか、時には挨拶のようにも使われ、音としても身近なものです。

小田急の車両にも当然警笛が装備されていますが、現在は空気笛と電子笛の両方が搭載されています。
今回はその中から電子笛だけにフォーカスを当て、いつ頃から使われるようになったのか等をまとめてみたいと思います。

5000形での試験と2000形からの本格採用

小田急で初めて電子笛を搭載したのは、5000形の5060Fでした。
1970年代の前半頃に試験的に設置されたもので、スカートに丸い穴が設けられていることが外見上の特徴となっていました。

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この電子警笛は試験後に撤去されていますが、スカートには最後まで丸い穴が残っていました。
本格的に採用されることもなく、その後もしばらくは空気笛だけの状態が小田急では続きます。

小田急で初めて電子笛を本格的に採用したのは、1995年に登場した2000形でした。
東京メトロの車両で聞く音色の電子笛が搭載され、空気笛ばかりの小田急の車両の中で異彩を放つこととなります。

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ロマンスカーでは、1996年に登場した30000形が電子警笛を初採用しました。
2000形とは違う音色のものが搭載され、その後のロマンスカーの標準となっています。

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こうして少しずつ電子笛を搭載する車両が増えていくこととなりますが、空気笛しか搭載していない従来の車両も多い状態で、まだまだ電子笛は限られた車両にだけ搭載されている装備品でした。

従来の車両への追加装備と音色の変更

新造車両への標準装備となった電子警笛ですが、通勤型車両に関しては音色の変更がありました。
1998年に増備された2000形の2053Fから変更されており、軽めの音色となっています。

そして、この音色の警笛が2000年前後に従来の車両にも取り付けられ、空気笛を聞く機会が徐々に減っていくこととなります。
現在も8000形や1000形に搭載されているのが、この際に追加で装備されたもので、それ以前には空気笛のみが搭載されていました。

こうしてどの車両にも電子笛が搭載されることとなりますが、音色についてはさらに変更されることとなります。
音色の変更は2000形の最終増備車である2059Fで発生し、JR東日本等で使われているものと同じものとなりました。
この音色がその後の小田急では標準となりますが、それまでの車両が変更されることはなく、現在も色々な音色を聞くことができる状態となっています。

おわりに

様々な音色の警笛を聞くことができる小田急の車両。
少数世帯の2000形に、3種類の音色があるというのが面白いですね。