5000形の5056Fが運行を開始したことによって、4月から休車となっていた1000形の1752Fが、営業運転に復帰することなく廃車となりました。
ワイドドア車としては2編成目の廃車で、残るワイドドア車は1753Fから1756Fまでの4編成となっています。

1752Fが廃車となったことで、今後予想される展開がいくつか分かってきました。

最初から6両編成で登場した1752F

今回廃車となった1752Fは、ワイドドア車では初の6両編成として1991年に竣功しました。
第2編成なのに初となっているのは、1751Fのほうが遅れて竣功しているためです。



近年は小田原線の末端区間や支線を中心として活躍しつつ、クヤ31形の牽引車としての役目も担っていましたが、5000形の5056Fが運行を開始したことで休車となっていました。



これまでに廃車となった車両と同様、1752Fについても休車から営業運転に復帰することはありませんでした。
1752Fが廃車となったことで、登場時から6両だったワイドドア車の編成は消滅したことになります。

1752Fの廃車によって分かる3つのこと

2020年度から始まった通勤型車両の置き換えですが、1752Fの廃車によって分かったことがいくつかあります。
気になる2021年度の置き換えはどのように進むのか、一つずつ整理してみましょう。

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一つ目は、2021年度もワイドドア車が優先的に廃車となる可能性が高いということです。
置き換えが開始されて以降、8000形の8251F、8255F、8264F、1000形のワイドドア車である1751Fが廃車となりました。

これらの編成は、事故による破損、界磁チョッパ制御、ワイドドア車、それぞれに廃車となる理由がありました。
8000形の整理が一旦終わったことから、今後はワイドドア車の廃車が優先的に進められると考えられるでしょう。

そして、二つ目は2021年度でワイドドア車が消滅寸前の状態となることです。
1752Fは5056Fの代替分と考えられますが、2021年度は4編成の5000形が増備されると発表されており、5059Fまでの編成が出揃うと考えると、あと3編成のワイドドア車が廃車になるとみられます。
残るは1編成となりますが、仮に休車となれば実質的には廃車とそこまで変わりませんから、2021年度がワイドドア車を堪能できる最後の年となるのでしょう。

最後の三つめは、4両の1051Fが現時点では安泰となったことです。
1752Fの廃車によって、クヤ31形を牽引できるのは1051Fのみとなりました。
しかし、これはあくまでも現時点のことであり、牽引に対応する編成が他に用意された時点で1051Fを残す理由はなくなりますから、その時までということになります。

おわりに

1752Fの廃車からスタートした2021年度の置き換え。
2020年度に続き、激動の1年となることが予想され、数年前とは全く別の小田急となっていきそうです。