最近はあまり見ることができなくなった、小田急の異形式による併結運転。
分割併合が盛んだった頃は、在籍する多種多様な形式が併結運転を行っており、数多くのバリエーションがありました。

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今回の記事では、大型車の10両編成で現在までに見ることができた併結パターンを全て洗い出し、そのバリエーションの豊富さを振り返りたいと思います。

全ての形式が併結運転可能だった平成初期の小田急

1989年に2400形が形式消滅し、小田急の通勤型車両は大型車に統一されました。
この時点で在籍していたのは、2600形、4000形、5000形、9000形、8000形、1000形の6形式でした。

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これらの6形式は、2600形に逆10両が禁止という制限はあったものの、全ての形式同士が併結運転をすることが可能となっており、分割併合によって1日に何度もペアを変えながら走行していました。
その後登場した2000形は、併結運転を想定しない8両固定編成で登場しますが、続いて登場した3000形では6両編成が多く増備され、併結パターンはさらに増えることとなります。

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3000形が加わってから、2600形や4000形が形式消滅するまでの期間が最も10両の併結パターンが多く、見ていて楽しい時期でした。
運転する側は大変だったでしょうから、この頃は大変な苦労があったのではないでしょうか。

全35種類の併結パターン

大型車の併結パターンが最も多かった時期は、全35種類の組み合わせがありました。
同形式での組み合わせも含めて、全てを一覧にしてまとめてみましょう。
左側が4両、右側が6両で、逆10両は同じ組み合わせになるので無視しています。

・4000形+2600形
・4000形+4000形
・4000形+5000形
・4000形+9000形
・4000形+8000形
・4000形+1000形
・4000形+3000形
・5000形+2600形
・5000形+4000形
・5000形+5000形
・5000形+9000形
・5000形+8000形
・5000形+1000形
・5000形+3000形
・9000形+2600形
・9000形+4000形
・9000形+5000形
・9000形+9000形
・9000形+8000形
・9000形+1000形
・9000形+3000形
・8000形+2600形
・8000形+4000形
・8000形+5000形
・8000形+9000形
・8000形+8000形
・8000形+1000形
・8000形+3000形
・1000形+2600形
・1000形+4000形
・1000形+5000形
・1000形+9000形
・1000形+8000形
・1000形+1000形
・1000形+3000形

これらの各形式は分割併合を繰り返し、1日の中で何回も併結相手を変えて走っていました。
3000形によって車両の置き換えが進むと、徐々に併結パターンは減少していき、分割併合がなくなった後は極力同形式で組むようになっていきました。

これだけの組み合わせがあると、相性が悪い形式同士もあり、時には最悪な乗り心地を提供してくれることもありました。
しかし、できる限りショックがないように運転士の方々は頑張って運転しており、異形式が繋がっていることを感じさせない時もありました。

おわりに

最近は車両の性能も揃えられており、異形式の併結でも昔ほどのショックを感じることはなくなりました。
運転する側にとってはとても良い状況となりましたが、趣味的には少し寂しくも感じてしまいますね。