長年にわたって箱根登山線内を行き来し、他の1000形とは異なる装いで人気を博してきたレーティッシュカラーの4編成。
5000形の増備によって廃車が開始され、徐々に数を減らしつつあります。

そんな状況の中で、2021年3月には1058Fに全般検査が行われました。
実施されたタイミング等も謎が多く、これは何を意味しているのでしょうか。

検査期限切れ前に行われた1058Fの全般検査

2020年8月に小田急全線を走行した1059Fを皮切りに、レーティッシュカラーの1000形についても廃車が始まりました。
4編成しかない希少な編成となっているため、あっという間に姿を消す可能性があります。

しかし、それらの4編成の中で明らかに事情が異なっているのが、2021年3月に全般検査が行われた1058Fです。
最も最近検査を出場した編成となっていますが、これによってすぐに廃車となる可能性は低くなったともいえます。

20210725_01

1058Fに行われた全般検査は、謎が多いのが現状です。
最大の謎は、なぜ1058Fが選ばれたのかという点で、考えれば考えるほど分からなくなります。

レーティッシュカラーの各編成が、過去に検査を出場した月は以下のとおりです。
1058Fは前回の出場月を記載します。

1058F:2018年8月
1059F:2018年7月
1060F:2018年9月
1061F:2020年1月

2020年に小田急全線を走行したことで、1059Fは走行距離がかさんでいると考えられますが、それよりも先に1058Fに検査が行われ、1059Fは廃車となってしまったのです。
検査期限まで余裕があるとはいえないものの、走行距離を考慮した場合に検査を行わなければいけない時期ではなく、謎は深まるばかりです。

なぜ1058Fに全般検査が行われたのか

1058Fに全般検査が行われた理由は、正直なところよく分かりません。
ただ一ついえることは、検査期限よりも先まで、1058Fを残す必要があるのではないかということぐらいです。

現状は他の編成に検査が行われてはいませんが、1058Fに行う必要があったのか、たまたま選ばれたのかという点も含めて、あまりにも謎です。
本来であれば、2022年の夏頃まではそのまま走れたと思われるため、それよりも先に何かがあるのでしょうか。
1092Fがリニューアルを終えた後に、1058Fがリニューアルされるという可能性もありますが、それならば検査をしなくてもタイミングとしては問題なさそうです。

加えて、リニューアルを終えた1000形がそろそろ箱根登山線に乗り入れそうな状況であり、2022年の夏以降まで1058Fを残す理由が見つかりません。
他の編成にも動きがあれば多少ヒントになりそうですが、現状では何かあるのだろうなということぐらいしか分かりませんね。

おわりに

他の編成とは異なり、なぜか全般検査が行われた1058F。
これで早々に廃車となった場合は、あまりにもよく分からない展開となるため、未来に何らかの予定があるということなのかもしれませんね。