運転席を2階に上げ、前面展望席を設けて1963年に登場した3100形(NSE)。
日本初の前面展望席は名鉄の7000系に譲りましたが、小田急のロマンスカーとしては、初めて前面展望席を設けた画期的な車両です。

現在はロマンスカーミュージアムに3両が保存されており、現役引退後の今もその姿を見ることができます。
そして、3100形はこの3両以外にも保存されている車両があり、太陽の下でその姿を見ることが可能です。

保存された両数が多かった3100形

2000年にゆめ70となっていた3161Fが廃車となったことで、3100形は形式消滅しました。
オリジナルカラーの3100形は、前年の1999年7月16日に定期運用を終了し、最後まで残っていた3181Fと3221Fの2編成が廃車となりました。
現在も何らかの形で残っているのが、最後まで残ったこの2編成です。

ロマンスカーミュージアムに展示されているのは、最終日に営業運転を行った3221Fで、当初は11両全車が保存されていました。
しかし、それ自体にはさすがに無理があったのか、後に編成を6両に短縮して保存、ロマンスカーミュージアムのオープンに合わせ、最終的には3両が残ることとなりました。

そして、3100形でもう1両保存されているのが、3181Fの新宿方先頭車であるデハ3181で、こちらは開成駅前第2公園に展示されています。
開成駅を出てすぐの場所に置かれており、公募で決定した「ロンちゃん」の愛称で親しまれています。

ロンちゃんの展示開始から現在までの動向

開成の駅前にロンちゃんが保存されたのは、2001年1月のことでした。
先頭車が1両だけではあるものの、駅前に置かれているロマンスカーの存在感は抜群であり、今日に至るまで大切にされています。

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保存された当初は、この写真のようにカバーが設けられており、公開日以外は姿を見ることができませんでした。
床下機器は全て撤去されており、車内は展示用に改造されていますが、特徴である運転席は残されています。
普段は見ることができないものの、カバーがあることで保存状態は良好に保たれていました。

その後、カバーは2016年4月に撤去されており、現在は常に姿を見ることができるようになっています。
当然のことながら、風雨にさらされるようになったことで老朽化は以前より進みやすくなっており、2018年には維持や管理をしていくためのクラウドファンディングが行われました。
青空の下で見られるというのは素晴らしいものの、長期的に保存していくことを視野に入れると、屋根の設置を検討したほうが良さそうには思います。

クラウドファンディングで集まった寄付金を活用し、2019年には再塗装が行われており、ロンちゃんは綺麗な姿を取り戻しました。
現在は第2、第4日曜日に車内の公開が行われており、夏休みの期間には臨時の公開もあります。

おわりに

現在も大切に保存され、日常的に見られる場所に置かれているロンちゃん。
老朽化が多少心配ではあるものの、これからも大切に保存され続けることを願っています。