先日箱根登山線内の撮影に行った帰りに、小田急の開成駅前に保存されている「ロンちゃん」の様子を見てきました。
2001年から保存されているこの車両は、近年になってカバーが撤去されたことで、いつでも見られるようになった反面、腐食が心配される状況となっています。

開成の駅前に保存されている3100形(NSE)

小田急小田原線の開成駅には、ロマンスカーの3100形が保存されています。
東口の階段を出てすぐの場所に先頭車が1両保存されており、電車の中からも見ることができます。

保存されているのはデハ3181で、1999年に引退した3181Fの新宿方先頭車です。
小田原方を向いて置かれており、現役時とは向きが逆になっています。



保存された当初はカバーが設けられ、限られた日にだけ公開が行われていましたが、2016年4月にカバーは撤去されました。
いつでも車両を見られるようになったことは嬉しいものの、風雨にさらされる状況になっているため、この先の老朽化が心配されています。

ロンちゃんの現在の状況

クラウドファンディングで集まった寄付金を使い、2019年に再塗装が行われたロンちゃんの状況を確認するため、2021年9月25日に開成駅で途中下車をしました。
駅の階段を出るとすぐにロンちゃんが見えますが、やはり傷んでいると感じる状況となっていました。

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再塗装から約2年が経過しており、外板が剥がれ落ちるといった致命的な状況ではないものの、各所に錆が目立っています。
クラウドファンディングでは2回分の塗装費用が集められていますが、塗り直すだけでは老朽化の進行は避けられないため、抜本的な対策が必要だと感じます。

同じ場所に保存し続けることを前提とするのであれば、やはり屋根の設置が最善だと考えられます。
武庫川団地に保存された阪神の赤胴車のような状態になれば、最も理想的といえそうです。

資金や法律の問題等はあるのだと思いますが、せっかく保存した車両を長く維持するためにも、手遅れになる前の対策が必要不可欠です。
屋根を設けることで、頻繁に塗り直す必要もなくなるでしょうから、それこそクラウドファンディング等で寄付金を集められると良さそうです。
ロマンスカーミュージアム等の協力も得られれば、意外と大きな額が集まりそうな気もします。

おわりに

外野があれこれ言うのは簡単で、何か協力できることがあれば良いとは思うものの、現実には解決しなければいけない問題が沢山あるのでしょう。
しかし、せっかく大切に保存されてきた車両ですから、手遅れになる前に少しでも良いほうに向かうことを願うばかりです。