高架化や地下化が進められたことで、昔より数が減少した小田急の踏切。
踏切には「新宿1号踏切」のような名称が付けられており、それぞれの踏切ごとに異なっています。

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数字が入っていることから、踏切の名称は連番なのだろうと最初は思いますが、実際には番号が飛んでいます。
なぜ踏切の番号は飛んでいるのでしょうか。

小田急の踏切に付けられている名称

小田急には、現在229ヶ所の踏切が設置されています。
踏切は小田原線と江ノ島線にのみ存在し、全線が道路と立体交差している多摩線には設けられていません。

それぞれの踏切には固有の名称があり、設置されている区間の起点側の駅名に番号を振ったものとなっています。
例えば、新宿を出て最初に設置されている踏切の名称は「新宿1号踏切」で、次は「新宿2号踏切」となります。
俗称としては、例えば開成7号踏切のことを「栢山逆1号踏切」と呼ぶことがあり、位置関係を分かりやすくするために用いられます。

踏切の番号が飛んでいる理由

踏切の番号は基本的に連番となっていますが、順番に見ていくと番号が飛んでいたり、1号から始まっていないようなケースが存在します。
なぜ番号が飛んでしまうのでしょうか。
例えば、向ヶ丘遊園を出て最初の踏切は「向ヶ丘遊園4号踏切」で、1号から3号は存在しないのです。

これは踏切の廃止や統廃合が行われた名残で、番号を詰めていないことで発生しています。
変更するメリットがそこまでないためか、そのままとなっているのです。

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向ヶ丘遊園の事例に戻ると、2014年までは「向ヶ丘遊園1号踏切」が存在していました。
駅を出てすぐの場所にあった踏切は、ラッシュ時には開かずの踏切となってしまうため、地下の連絡通路が設けられて廃止されました。

2号や3号も当然昔は存在しており、1号と4号の間にあったことになります。
このように、番号が飛んでいる場合は前後の番号の間に以前は踏切があり、何らかの理由で廃止や統廃合が行われたことを意味しています。
沿線を歩くと、線路の外側で不自然に道路が途切れているような場所があり、昔は踏切があったのだと感じさせてくれます。

ちなみに、駅の新設があった場合には踏切の名称が変えられているため、番号は振り直されています。
開成等は分かりやすい事例で、元々は新松田を冠した名称だったことになるのです。

おわりに

踏切の名称から、なくなった踏切があることが分かる小田急線。
そんな過去を考えながら、沿線を散歩してみるのも面白いかもしれませんね。