初期の編成が登場してから20年以上が経過し、徐々に痛みが目立つようになってきた小田急3000形。
近年の車両としては比較的早めにリニューアルが開始され、そう遠くない将来に新たなバリエーションが加わることとなりました。

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8000形や1000形では徹底的なリニューアルが行われ、新車と同様の姿に生まれ変わることとなりましたが、3000形についてはどのようになるのでしょうか。

2022年度から開始される3000形のリニューアル

先日発表された2022年度の鉄道事業設備投資計画において、3000形のリニューアルが行われることが公になりました。
既に非公式な場では発表されていましたが、公式に触れられたのは初めてと思われます。

2022年度は3編成がリニューアルされ、全て6両編成が対象となります。
既に3265Fが入場しているとみられることから、出場後に他の編成が入場していくと予想されます。

リニューアルの内容としては、制御装置やコンプレッサーの更新等のほか、各車両に車椅子とベビーカー用のスペースが設けられるようです。
現時点ではあまり多くの情報がなく、詳細については続報を待つしかありません。

どれぐらいのペースでリニューアルが進められるのか

3000形がリニューアルされることは発表されたものの、8000形や1000形の時とはやや事情が異なることも同時に分かってきました。
個人的に一番気になっていることは、リニューアルがどの程度の規模で行われるのかという点ですが、8000形や1000形よりは規模が縮小される可能性があると思われます。

そう考えている理由は、今回の発表でリニューアルに関する詳細が触れられなかったためです。
1000形のリニューアルが発表された際には、同時に詳細を記載したリリースも出し、その内容を大々的にアピールしていましたが、今回はそれがありません。
つまり、別のリリースを出すほど、大規模な変化がないという見方もできます。

また、初年度から18両のリニューアルが行われるという点も、近年としてはやや両数が多いといえます。
8000形は初年度に12両、VVVFインバーター制御への改造が始まった翌年度は6両、1000形は初年度に8両であり、リニューアルの初期は慎重になるのか、少なくなる傾向があるのです。

これらのことから、3000形のリニューアルについては、今までよりも施工のペースが少し早くなることが予想されます。
8000形や1000形とは異なり、足回りの更新が大規模ではないでしょうから、当然といえば当然なのかもしれません。

そして、3000形の6両がこれからも重宝されるということが、早々に施工対象となったことからも見えてきます。
3次車以降に絞ると6両は15編成となりますが、4年程度で全編成のリニューアルを終えてしまいそうです。

気になるのは1次車や2次車に対してもリニューアルが行われるのかという点で、既に部分的に手が加えられていることを考慮すると、こちらは対象外となるのかもしれません。
8両や10両については予想がしにくいものの、全編成にリニューアルを行うことが困難であると考えた場合、8両だけを対象外にするといった可能性もありそうです。
いずれにしても、登場からの年数がまだ浅く、足回りの更新も大規模に行う必要はないでしょうから、工期は今までよりも短くなる可能性が高いといえるでしょう。

おわりに

3000形のリニューアルが開始されたことで、1000形のリニューアルが終了した可能性も高くなりました。
リニューアル後の3000形はどのようになるのか、変化した姿を想像しつつ楽しみに待ちたいと思います。