小田急で最も自然が豊かな区間がどこかと聞かれれば、小田原線の渋沢から新松田であると答える方が大半ではないでしょうか。
この区間は四十八瀬川に沿って走るため、橋梁が多く存在することも特徴で、小田急の中ではかなり特徴的な風景が広がります。

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そんな渋沢から新松田までの間に数多く存在する橋梁は、どれぐらいの数となるのでしょうか。

小田急で最長の駅間距離

小田急で最も標高が高い渋沢を出発すると、今度は小田急で最も駅間距離が長い区間となります。
その距離は6.2kmもあり、新宿から梅ヶ丘までの距離に匹敵します。

駅間距離が長い理由ともリンクしますが、この区間は小田急で最も自然が豊かで、線路の周囲に建築物は少なく、車窓には緑ばかりが映ります。
外を眺めていると癒される区間であり、大都会の新宿から走ってくると、その景色の変化に驚かされます。

新松田にかけて下りつつ、線路は四十八瀬川に沿って敷設されているため、区間内は急勾配と急カーブが連続し、電車は右へ左へと車体をくねらせながら進んでいきます。
区間内には二つのトンネルもあるため、一駅の間に様々な変化あることも、この区間の面白い部分です。

区間内にある沢山の橋梁

渋沢から新松田にかけては、線路沿いに二つの川が流れています。
どちらの川も大きなものではありませんが、渋沢寄りから沿う四十八瀬川は、やがて中津川と合流して川音川へと名を変え、新松田の先で酒匂川に合流します。

川沿いを走る小田急には、蛇行する川を超えるために沢山の橋梁があり、その数は九つにものぼります。
渋沢側から順番に各橋梁を一覧にすると以下のとおりで、括弧内は橋の長さとなります。

・第1四十八瀬川橋梁(48m)
・第2四十八瀬川橋梁(38m)
・第3四十八瀬川橋梁(18m)
・第4四十八瀬川橋梁(26m)
・第5四十八瀬川橋梁(26m)
・第6四十八瀬川橋梁(58m)
・第1川音川橋梁(112m)
・第2川音川橋梁(147m)
・第3川音川橋梁(122m)

短い橋梁が続き、川音川となって川幅が広がると、橋梁が長くなっていくのが面白い部分です。
これらの橋梁は開業時から使用されているものですが、今後耐震補強が実施されるようですから、まだまだ使用が続けられるのでしょう。

断続的に橋梁を渡るため、この区間では走行音が目まぐるしく変化します。
そんな走行音を意識して聞きながら、電車に揺られてみるのも楽しいかもしれません。

おわりに

小田急で最も自然が豊かで、多くの橋梁が連続している渋沢から新松田までの一駅。
目と耳の両方で楽しみながら、電車に揺られてみてはいかがでしょうか。