製造開始から40年近くが経過しつつも、ほとんどの編成が現役で活躍を続ける小田急8000形。
リニューアルでVVVFインバーター制御に改造された編成については、本格的な廃車が始まっていませんでしたが、4両の8056Fが廃車となったようです。

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1000形の未更新車が全車引退したばかりの小田急ですが、今後8000形の本格的な廃車が始まるのでしょうか。

4両の8056Fが廃車に

2020年に5000形が営業運転を開始し、小田急では通勤型車両の置き換えがスタートしました。
置き換え対象とされたのは主に1000形の未更新車でしたが、8000形についても一部に廃車が発生しており、踏切事故で損傷した8264Fと、更新後も界磁チョッパ制御のままとなっていた8251Fと8255Fが廃車となっています。

それ以外の8000形は元気に活躍を続けていましたが、1000形の未更新車が全車引退したことで、次の廃車対象がどうなるのかが注目されていました。
そして、少し前より怪しい動きを見せていた8056Fが今回廃車となったようで、8000形の4両では初めての廃車となっています。

8056Fは1985年に登場した2次車で、約37年の活躍期間となりました。
リニューアルの実施からは約13年となっており、少々もったいようには感じます。

8000形の廃車が本格化する可能性

今回8056Fが廃車となったことで、今後8000形の廃車が本格化するのかというと、そうではない可能性があります。
2022年3月12日のダイヤ変更により減便が行われた結果、小田急では余剰車が発生している状況であり、現状の廃車は余っている分の車両と考えられるためです。

今後のことを考えて残しておきたくても、その保守費用さえカットしたいような状況ですから、一度適正な両数まで整理するのは確実とみられます。
8000形の機器は汎用性が高いと思われるため、今後も残る車両の予備品として活用されるのでしょう。

余剰分の車両が整理された後も8000形の置き換えが続くのかについては、現時点だと予測がしにくい状況です。
今後もある程度の両数を継続して置き換える可能性はありますが、8000形はもう少し走れる状態であるとも考えられるため、置き換えの休止期間が生じるかもしれません。
いずれにしても、次の置き換え対象は8000形である可能性が高く、今後徐々に数を減らすことになりそうです。

おわりに

全編成が健在だった8000形の4両ですが、8056Fの廃車により状況の変化が始まりました。
今後の動き次第では、3000形と併結する8000形を見る機会が、今以上に減ることになりそうですね。