方向幕を使用した車両が消滅し、LED表示器に統一された小田急。
ぐるぐると回転しながら列車種別や行先の表示を変える光景は、ついに過去のものとなりました。

20190331_04

LED表示器についても、フルカラーのものを装備する車両の割合が増加しつつあり、列車種別を3色だけで表現するケースも減りつつあります。
時期によって異なる列車種別の配色は、どのような変化をしてきたのでしょうか。

赤文字だけだった列車種別の配色

まだ方向幕が登場していない時代、列車種別は金属製の板を前面に掲げて示していました。
急行や快速準急等の様々な列車種別がありましたが、色については全て赤文字となっており、特に色分けはされていませんでした。
板の地色が白であり、赤以外では視認性が悪くなるからだったのかもしれません。

やがて種別幕を装備した車両が登場してきますが、白地の幕とされたためか、ここでも赤文字が採用されました。
準急等も赤文字で、列車種別による色分けは行われない状態が続きます。

20201031_05

列車種別の色に変化が生じるのは5000形や9000形が登場した頃で、黒地の種別幕やランプ切り替え式の表示が採用されたことで、準急が黄色へと変わりました。
9000形については例外があり、初期の編成にのみ赤文字の準急表示が存在しました。
その後は黒地の種別幕の場合において、各停が青、準急が黄、急行が赤というのが標準となり、使われないのに装備されていた快速が緑とされました。

列車種別の増加による配色の変化

シンプルな配色で実現できていた色分けですが、2002年に湘南急行や多摩急行が登場すると、単色での実現が困難になってしまいます。
そこで、新種別については文字ごとに色を変えて表現することになりました。

20190119_09

他の色を使うことも可能でしたが、この頃はLED表示器を装備した車両も走っており、表現できない色の使用を避けたのでしょう。
しかし、この状態は長く続かず、2004年に快速急行と区間準急が登場するのに合わせて、列車種別の色自体を変える方式になりました。

20191201_01

この時点ではフルカラーのLED表示器を装備した車両は登場しておらず、車両によって表現が異なる状態となりました。
現在も一部でそのようなケースが残っており、統一まではもう少し時間がかかりそうです。
2018年には通勤急行と通勤準急が登場しますが、新たに色を分けて表現するのではなく、白地をベースにすることで、特殊な種別であることを分かりやすくしています。

20181202_05

現在も2018年に変更された状態が維持されており、3色のLED表示器を装備した車両については、表現方法が異なっています。
方向幕を装備した車両がなくなり、今後はフルカラーのLED表示器に統一されていくと思われるため、配色が完全に統一される日はそこまで遠くないのかもしれません。

おわりに

時代に合わせて列車種別の配色は変化し、現在はかなりカラフルなものとなりました。
昔のようなシンプルな配色が懐かしく感じるのは、それだけ時間が経過したということなのでしょうか。