新型車両の5000形が登場し、従来車の置き換えが進められている小田急。
現在までに1000形の未更新車が全車引退し、今後は8000形の置き換えが続くことが予想されます。

一方で、小田急には今後が気になる少数グループを構成する車両が在籍しており、今回の記事ではそれらの車両について考えてみたいと思います。

小田急の少数グループを構成する車両

現在までに廃車が発生していない2000形と3000形には、比較的少数のグループを構成する車両が存在します。
どのグループも70両前後となっており、小田急の中では少数派と表現できる車両です。

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まずは2000形ですが、8両が9編成となっており、合計は72両です。
形式自体が少数のグループでもあり、小田急の中でも目立たない存在となっています。
両数の特性からほぼ各駅停車専用形式のようになっており、新宿から本厚木の間を行ったり来たりしていることがほとんどです。

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大所帯の3000形には、機器構成が大きく異なる6両が12編成あり、初期車である1次車と2次車が該当します。
編成数はそれなりにあるものの、3000形の中では圧倒的な少数派であり、1次車についてはドア幅が広いという違いもあります。
現在のところはリニューアルが行われる気配もなく、他の3000形とは別形式のように扱われているとさえ感じます。

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元々はまとまった数が在籍していたものの、10両化が進められたことで少数グループになったのが、8編成だけ在籍する8両です。
15編成の大所帯を構成していましたが、7編成が10両化されたことで8両のまま残った編成は少数派となり、専ら2000形と同じような使われ方をしています。

少数グループの車両は今後どうなるのか

それぞれが70両前後在籍する三つのグループですが、これらの車両には共通点があります。
それは小規模な手入れや機器交換が行われているという点で、最近では3000形の8両でLED表示器の交換がスタートしました。
リニューアル以外で手を入れる機会が多いというのは、見方を変えれば更新対象から外れている可能性があり、適宜手を入れて延命しつつ、ある程度の年数を走らせたら置き換えることを想定していると考えられます。

2000形と3000形の初期車については、他形式と異なる機器がそれぞれで使われていることもあり、標準化が進めば進むほど異質な存在となってしまいます。
これらの二つのグループは製造時期が意外と近いため、リニューアルを今後も行わない場合には、製造から30年ぐらいを目安に置き換えられることになるのではないでしょうか。
その場合には1000形よりも先に引退する可能性があり、後輩が先に廃車されるパターンとなります。

3000形の8両についても製造時期はそこまで変わりませんが、やや事情が異なる点があります。
それは主要機器が異質ではないことで、他の3000形や現在廃車が進められている8000形との共通点も多く、取り外した機器を活用しての延命は考えられます。
これからも小規模な手入れを行いつつ走らせ、こちらも30年ぐらいを目安に置き換えというシナリオが見えてきます。

潔く廃車にするには両数が多いものの、長く使い続けるのも苦しいという点が共通しており、今後の動向が気になる車両といえるでしょう。

おわりに

どの車両も用途が限られ、最近は地味な役割を担うようになりました。
晩年らしいと表現しても違和感はなく、8000形に続く置き換え対象の候補として、気になる存在となっています。