2018年のダイヤ改正で運行を開始し、小田急ロマンスカーとして一気に定着した感のあるGSE。
展望席等の伝統的な要素と、ボギー台車等を採用した現実的な仕様が混在するのが特徴です。

私はこのGSEをとても良い車両だと思っています。
EXE以降のロマンスカーが登場するたび、嫌いではないものの、どこか好きになれなかったのです。
GSEが登場した時、久々に素敵なロマンスカーが出てきたと嬉しく思いました。

LSEの置き換えを想定するGSEについては、小田急側も相当な力を入れて開発に挑んだのだと思います。
若干神格化しつつあったLSEですので、それを受けるだけの車両にする必要があったのでしょう。

振り返ると、近年の小田急ロマンスカーは失敗要素を持つ車両が多かったように思うのです。
HiSEとRSEでは、最大の特徴であるハイデッカーやダブルデッカーが引退を早めましたし、EXEでは日常利用を考慮しすぎてしまいました。
VSEは変なところに気合いを入れすぎてしまった感があります。
後天的なものも多いですが、不運な展開です。

GSEはそれらの経験による反省点を改善に繋げて、現実的なところで可能な観光利用と日常利用の融合を図ったように思います。
最初にGSEを見た時の感想は、歴代のロマンスカーが持つ要素が散りばめられているというものでした。

展望席という要素はもちろんですが、どこかHiSEを思わせるスタイル、7両のボギー車というRSEを思わせる編成、VSEやMSEと繋がる統一感、そして以前のロマンスカーのような鮮やかなカラーリング。
近年モヤモヤすることが多かった、登場時の感情はありませんでした。

これが小田急ロマンスカーの未来なんだと思います。
観光利用にも日常利用にも適合しなければいけない、その中でどんなことができるのか。
ホームドアの設置や保守上の問題、表からは分からない様々な事情も絡むのでしょう。

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通過するGSEを見る時、今でも見とれてしまいます。
空気が変わり、時が止まったような感覚になるのは私だけでしょうか。

ホームでは子供たちが嬉しそうに記念撮影をしています。
LSEの引退は今でも寂しく思いますが、その後継となったGSEはその役目を十分に果たしてくれているように思います。