生涯1編成のみの在籍で、2015年に廃車となった東京メトロの06系。
JR東日本や小田急にも直通し、元気に活躍をしていましたが、先輩の6000系が多く残る中、早期に廃車となってしまいました。

06系は、元々輸送力増強用の車両として登場しました。
その後の増備をしないと決めていたわけではないと思いますが、結果としてその後必要な編成数が増えることはなく、6000系の置き換えは後輩の16000系が担うこととなります。

1編成しかいないレアな車両、ファンにとって06系はいつも注目の的でした。
ただ走っているだけ、出会えるだけで嬉しい車両、そんな形式でした。

しかし、それこそが廃車を早める原因となってしまいました。
6000系の置き換えが始まると、東京メトロは千代田線を16000系に統一する方向性を示します。

1編成しか存在しない06系は、効率性の観点から見てデメリットが多かったのでしょう。
兄弟車に07系がいますが、東西線で力を合わせての活躍はかないませんでした。

07系が残る中、06系だけが廃車されてしまったのです。
06系、07系の特徴として、側面の不規則なドア配置がありました。
ホームドアの導入を進めていくために、このことが大きな障害となってしまいました。

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1編成のみという希少性と不規則なドア配置、これこそが06系の廃車を早めてしまったのだと思います。
もちろん理由はこれだけではないと思いますが、今になって思えば残すメリットを見つける方が難しかったのでしょう。