リニューアルの対象から外され、先行きが見えてしまっている小田急1000形のワイドドア車。
最近の使われ方から考えても、遠くない将来に廃車が行われるものと思われます。

そのワイドドア車ですが、登場から現在まで、比較的大規模な改造を繰り返しました。
小規模なものも含めると、かなりの回数になると思われます。

大規模なものでは、特徴であったワイドドアの開口幅縮小工事があります。
開口幅を2mから1.6mに変更するもので、外見はそのままながら、車内側のみ1.6m幅に合わせて変更され、外からはドアの引き残しが見られるようになりました。

これで安定すると思われていたところ、その後4両の6両化が行われます。
一部先頭車の中間車化を含む大掛かりなもので、編成のバリエーションが増える結果となりました。

これ以外にも、収納可能だった座席の交換や、車内案内用の液晶表示撤去等、小規模な改造が繰り返されています。

20190420_03

このような歴史を振り返ると、やはりワイドドア車は失敗作だったのだと思います。
複々線化が遅れる中で、なんとかして改善を図ろうとしたわけですが、結局上手くいかなかったというところでしょう。

車両としては失敗でしたが、その過程の中で様々な結果を示してくれたことは、後の貴重な財産になったともいえます。
そういった観点では、意味のある失敗作だったのかもしれません。

他社で登場した多扉車が役目を終えて廃車となっていく中、大改造が行われながらも今日まで現役で活躍しています。
当初の想定としては失敗でしたが、騙し騙し使い続けられるという点では、ギリギリのところで成功だったのかもしれませんね。