先日に続き、時計の針を戻してみたいと思います。

車掌のホイッスルが鳴り、車両のドアが閉まりました。
ドアが閉まると、すぐに車両は動き始めます。
現代の小田急とはこんな部分にも違いがあるようです。

成城学園前を出ると、しばらく坂を下るのは昔も変わらないようですが、景色はだいぶ違うようです。
線路は地上を走っていますが、よく見ると複々線の工事が始まっています。
この先何年もかけて、この難工事を進めていくのでしょう。

電車は多摩川橋梁を渡ります。
鉄橋らしい騒音が車内に響き、神奈川県に入ることを音が教えてくれます。
走行音が静かになると同時に、登戸に到着しました。

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駅の雰囲気は今とだいぶ異なり、近くに川があるというのをその佇まいが示していました。
登戸を出発して右にカーブすると、向ヶ丘遊園にすぐ到着です。

モノレールへの乗り換えが案内され、上りホームにはロマンスカーが停車しています。
雰囲気こそ今とそこまで変わりませんが、昔は賑やかな駅でした。
折り返しの各停が多いようで、都心部区間の終点といった風情が漂います。

私はここで各停に乗り換え、急行を見送ります。
各停は当然のことながら2600形で、ドアが騒々しく閉まると高い加速音が響き始めました。

生田、読売ランド前と進みますが、景色は大きく変わらないようです。
高い建物が増えて、緑が減ったのが目立つ程度かもしれません。
複々線という大きなプロジェクトが、沿線の風景を一変させてしまったというのが分かります。

電車は百合ヶ丘に到着です。
幼少期の私はこの駅の近くに住み、小田急という鉄道会社が好きになりました。
記憶が強く残るこの駅で電車を降り、現代に帰ろうと思います。