新型通勤車両の導入が発表され、先行きが心配される小田急1000形のワイドドア車。
6両が6本在籍していますが、元々は4両が6本、6両が2本の在籍で、現在とは異なっていました。

ワイドドア車に大きな変化があったのは、2004年のことです。
この頃は、4両は通常の1000形と組んで8両の各停に、6両は優等列車を中心とした運用に充てられていました。

従来車の置き換えを進めていくにあたり、4両を組み合わせた8両を解消し、3000形の8両固定編成にしていくこととなりました。
4両が多く余る反面、6両が不足気味となることから、ワイドドア車の4両を6両に組み替えることで、これを解消することになりました。

組み替えは一部先頭車の中間車化を含む大掛かりなもので、工事は東急車輛にて行われました。
6本あった4両のうち、1552Fから1551Fと1553Fに、1555Fから1554Fと1556Fに2両ずつを振り分けることで、6両を4本組成しています。

中間車化された先頭車は4両で、クハ1552、クハ1555、クハ1651、クハ1654が該当します。
これらの改造は、編成としての構成を揃えることを前提としているため、中間車改造された箇所の向きが編成によって異なっています。
ラジオアンテナはそのまま残されているので、その部分に種車の面影が残っています。

この改造によって、ワイドドア車は2本ずつ形態が異なる6本に再編成され、バリエーションが豊富なグループとなりました。
外見からは分かりませんが、車内の作りが1552Fまでと1553F以降では異なっているため、実際にはさらにバリエーションが豊富です。

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この改造後、ワイドドア車は優等列車での活躍を中心とするようになりました。
分割併合列車の廃止後、1000形と半固定的に10両を組むスタイルが定着しましたが、ホームドアの設置を契機に6両単独での運用に固定されてしまいました。

ホームドアの設置が進められていく中、リニューアルの対象からも外されてしまい、いよいよなのかなというワイドドア車。
その最後の活躍を見守っていきたいと思います。