1000形の後を受けて、1995年に運用を開始した小田急の2000形。
前面スタイルが同じであることから、1000形のマイナーチェンジ車に見えますが、多くの部分で1000形とは異なる車両です。

小田急の車両は、新技術を積極的に導入する傾向がある反面、従来車との併結等を考慮し、保守的になる部分が混在していました。
代表的なのが、電磁直通ブレーキや6両までとした編成の長さです。
また、台車についても保守的な傾向が顕著で、アルストムリンク式を採用し続けた経緯があります。

1000形で10両固定編成が登場しますが、地下鉄直通用という限られた用途によって実現したものでした。
最終増備となった1081Fにおいて、自社線内用としては初めて8両固定編成の新造車が生まれ、方針が変わりつつありました。

2000形はこの流れを受けて登場し、それまで保守的だった部分の転換を決定付けました。
他形式と併結しないことを前提としたことから、通勤型車両で初めて電気指令式ブレーキを採用し、古い技術からの脱却を図りました。
台車についてもボルスタレス台車が装備され、地味なところで積極的な方針転換が見られます。

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見た感じは地味な存在の2000形ですが、1000形とは大きく違う形式なのです。
この2000形で行われた方針転換は、3000形以降の形式にも繋がっており、近年の方向性を決定付けた形式といえるでしょう。