小田原線の新百合ヶ丘から分岐し、唐木田までを結んでいる小田急の多摩線。
1974年に開業し、小田急の中では新しい路線です。

開業が比較的近年ということもあり、線内に踏切はなく、全ての道路と立体交差になっています。
駅が簡素で、走るのは古い車両ばかりでしたが、路線としては近代的な構造だったのです。

その多摩線の新百合ヶ丘から五月台までの区間に、比較的近年まで残っていたのが、今回ご紹介する定尺レールの区間です。

定尺レールとは、製造時の長さそのままとなっているレールで、25mが標準の長さです。
レールとレールの接続部が存在するため、これがガタンゴトンという音を発生させる原因となっています。

近年は溶接することでこの接続部をなくしたロングレールが主流となっており、小田急も多くの区間がロングレールになっています。
その小田急において、2000年代に入っても定尺レールのままだったのがこの区間だったのです。

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新百合ヶ丘を発車した電車は、リズミカルな音を奏でながら、多摩線に向かう勾配を上がっていきました。
たまにある3番線発車の電車は発車からフル加速するため、かなり良い音を聞くことができました。

現在はこの区間もロングレール化されてしまい、静かな区間となってしまいましたが、新百合ヶ丘の駅構内はそのままなので、今でも少しだけ音を楽しむことができます。