1000形の後継形式として、1995年に営業運転を開始した小田急2000形。
やさしさをテーマとして開発された2000形には、従来の車両とは異なるものが多く採用されています。

2000形の開発は、いくつかのテーマに分かれていますが、その中に乗客を対象としたものがあります。
小田急で初めて採用された設備は、このテーマから考えられています。

まずは、今では当たり前になったものとして、車いすスペースがあります。
小田急では2000形から採用されたもので、その後の形式やリニューアルの標準仕様となりました。

車外に設置された、転落防止用の外幌も2000形からです。
外幌にも帯が通されていたのが、現在とは異なる部分です。

その他にも、バケットシートの採用や側扉の複層ガラス化、車内の側扉脇にある手すりの下部への延長等があります。
現在は当たり前となっている設備面での変化が、小田急では2000形で行われていたのです。

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このように意欲的な形式だったものの、時代のいたずらで主力形式にはなれなかった2000形。
しかし、示した方向性はその後に繋がっていったことがよく分かりますね。