小田急で初めてステンレスの車体を採用し、1988年に運行を開始した1000形。
東京メトロの千代田線にも直通運転を行う形式として、以前は幅広い活躍をしていました。

現在は地上専用の車両となりましたが、地下鉄に直通していた頃は、多くの編成が準急や多摩急行で走っていました。
その中でも特殊だったのが、4両と6両を組み合わせた10両編成です。

地上でも同様の組成が多く見られる小田急ですが、直通運転に対応した編成にのみ、特別な装備がありました。
それは、10両編成となる際、中間に入る先頭車に設けられていたもので、貫通路を構成するための仕切りと扉でした。

通常時は通り抜けができませんでしたが、非常時には乗務員室を抜けて、避難ができる構造となっていたのです。
車内にもその旨を案内する表示があり、直通対応編成の特徴となっていました。

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現在は見ることができなくなった1000形による直通運転。
4両と6両が繋がった10両が直通していたのが、今となっては信じられませんね。