東京メトロ千代田線への直通用として登場し、晩年は地上専用車として活躍した小田急9000形。
千代田線内を走行する性能を満たすため、10両で8M2Tとなるように設計されており、4両は全電動車となっています。

小田急では、2400形以降の形式についてMT比が半分ぐらいになるようにしていたことから、全電動車方式となる車両の登場は2200系列以来のことでした。

10両を組んで地下鉄直通運用に使われた9000形でしたが、地上専用車となった後には、4両と6両で使い方が分かれました。
5000形や8000形と同じような使われ方をした6両に対して、4両は2本を組み合わせて8両にし、オールMを活かして各停を中心に使われました。

過去に目を向けると、晩年に似たような使われ方をした車両があります。
それが9000形の4両と同じく全電動車方式だった2200系列で、多くが2両を3本組み合わせて各停を中心に活躍しました。

両車には全電動車方式という以外にも共通点があり、半端になる編成が予備車を兼ねていました。
9000形の場合は、9007Fが通常は単独で運用し、検査等で入場する編成が生じると、残った編成と組んで8両になっていました。

2200系列にも似たような編成があり、2211Fと2213Fのみが通常は4両を組み、2400形と同様に多摩線を走っていました。
6両を組んでいる編成で検査入場等が生じた場合には、2211Fと2213Fの編成が崩され、6両の編成に組み込まれていたのです。

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形式としての特性や、使われ方に共通点が多かった両形式。
比較的少数派だったという点も同じで、それが予備車の確保方法にも共通点を生み出したのかもしれません。

大量増備の時代になった現代では、こういった晩年は今後見られないかもしれませんね。