2020年3月14日にダイヤ改正を行う小田急。
ダイヤ改正後の時刻表が見られるようになり、細かい部分が分かるようになってきました。

今回のダイヤ改正で大きな変化があるのが、JR東日本や東京メトロへの直通運転が消滅し、自社の車両ばかりが走るようになった多摩線です。
基本的な運行パターンには変更がありませんが、一部の時間帯で優等列車の運転がなくなることになりました。

優等列車の運転がなくなるのは、平日の23時以降と、土休日の13時から15時台です。
多摩線の利便性向上を図るという理由ですが、これが本当の理由なのかと考えると、少し違うのかなと思う面があります。

以前の記事で、実験的な要素が含まれていると私は書きました。
その段階では、運行本数については分からなかったのですが、実質的には削減されることになりました。
小田原線と直通する優等列車について、多摩線内を各駅停車とすることで、その分線内折り返しの各駅停車が減らされています。

具体的な例としては、平日の23時台に新百合ヶ丘を発車する下り列車だと、ダイヤ改正前は8本だったところ、5本まで減っています。
土休日についても、1時間に9本だったところが6本となり、多摩急行の運行を開始する前の水準となっています。

各駅停車しか止まらない駅の利便性を向上するというのは嘘ではないものの、他の理由もありそうです。

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そこで考えられるのが、乗務員の不足です。
本数が削減されている時間帯が限定的なので、コスト削減の効果はそこまで高くないことから、こちらの可能性のほうが高いように思うのです。

利便性の向上だけを考える場合には、本数を削減する必要はないことから、減らさざるを得ない理由があると考えられます。
京王との競合関係を考えても、現段階での削減は違和感がありますが、その京王も相模原線で似たような本数の削減を行っています。
仮眠時間の短さや、長時間勤務との関連もあるのかもしれません。

今回のダイヤ改正には、人という表からは分からない、別の理由も関係していそうに思うのです。