現在は小田急1000形が行ったり来たりしている、箱根登山鉄道の小田原から箱根湯本の区間。
どちらかというと小田急の路線のように扱われているこの区間ですが、小田原の次に箱根板橋という駅があります。

島式ホームを備え、列車の交換ができる駅ですが、よく見ると下り列車が通る線路の外側にもう一つホームがあります。
現在は使われていないこのホームですが、何のために存在してるのでしょうか。

ホームの長さが短いことがヒントになりますが、これは箱根登山鉄道の車両のために設けられたホームなのです。
2006年までは箱根登山鉄道の短い車両が小田原まで走っており、全区間が三線軌条となっていました。

この三線軌条が、箱根板橋に謎のホームが存在する理由です。
三線軌条が設置されていた頃の下り線は、島式ホーム側の線路が狭軌と標準軌で共用する線路だったため、箱根登山鉄道の車両が停車すると、車両とホームの隙間が広くなってしまいます。
これを解消するために設置されたのが、現在も残っている謎のホームだったというわけです。

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以前は外側が1番線で、3番線までとなっていました。
現在は島式ホームの下りが1番線、上りが2番線となっています。

大きさや性能が違う車両を共用していたこの区間。
合理化されてからだいぶ年月が経ちましたが、このような遺構がまだ残っています。