ブレーキ読替装置を搭載し、電磁直通ブレーキを装備した他形式との併結を実現した小田急3000形。
大量の車両を置き換えていく中で、ブレーキ指令方式が異なる車両を共存させつつ、柔軟な運用を実現しました。

その3000形の中で、初期に登場した12編成は、その後の編成と仕様が異なっていることが特徴です。
搭載する機器が色々と異なっているこれらの初期編成ですが、その後の編成には搭載されているTIOSがありません。
そのため、現在は併結相手が8000形と1000形の未更新車に限定されています。

これらの編成は大量に在籍しているため、この制限が運用上の制約になることはほとんどないのですが、数年後にはこの状況が一変すると考えられます。

まず、8000形の廃車が始まることで、現在主に併結相手となっている車両が減少していきます。
電気指令式ブレーキ同士なので、比較的乗り心地が良い組み合わせですが、徐々に見られなくなっていくのでしょう。

続いて1000形の未更新車ですが、こちらは更新が進むことで、3000形の初期車とは併結できなくなっていくと考えられます。
現在も編成数としてはかなり減っていますので、そう遠くないうちに電気指令式ブレーキ車と電磁直通ブレーキ車の併結は見られなくなるものと思われます。
5000形の登場で、これから10両固定編成化が急速に進んでいくでしょうから、1000形の未更新車が消滅する前に併結をやめてしまうかもしれませんね。

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8000形と1000形の未更新車が消滅すると、3000形の初期車は10両を組むことができる相手を失います。
つまり、6両単独でしか使えなくなるということを意味しているのです。

そこで受け皿になると考えられるのが、現在は8000形の界磁チョッパ制御車、1000形の未更新車による6両が中心として運用されるA11からA22の運用です。
その運用数は12であり、偶然とは思えませんね。