小田急の終点である小田原から一駅、そこにある静かな駅が今回取り上げる足柄です。
同名の駅がJR東海の御殿場線にもありますが、距離としては相当離れており、完全に別の駅となっています。

足柄は小田原線の開通当初からある歴史の長い駅ですが、南新宿と同様に乗降人員がとても少ない駅です。
新松田から小田原の各駅は、基本的に乗降人員が少ない駅が多いのですが、足柄は突出して少ない駅となっています。

そんな足柄に小田急で最後まで残っていた設備があります。
それは構内横断踏切で、跨線橋がない駅で上下線のホームを行き来するために設置されていました。

栢山から足柄の区間の各駅は、小田急で最後まで構内横断踏切が残っていたようですが、その中でも最後まで残っていたのが足柄でした。
1983年4月の時点では残っていたようなので、意外と近年まで存在していたことになります。

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少し古い写真ですが、ホームの端にはその痕跡がしっかりと残っており、懐かしいその姿を見せてくれます。
20m車の6両分からホームが伸ばされなかったことが、この姿を残すことに繋がったのでしょうね。

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写真提供:小田急指令掛川

足柄にあった構内横断踏切は、足柄横断場という名称だったようです。
ほとんど上屋がないホームの端に遮断機が設けられ、電車が通る合間に人が渡っていました。