鉄道の音といえば、ガタンゴトンというジョイント音が代名詞となっていますが、近年はロングレールが採用されることが多く、都市圏ではあまり聞くことができなくなりました。
小田急も一部の区間を除いてほとんどがロングレールとなっており、昔ながらの鉄道らしい走行音は聞けなくなっています。

当たり前といえば当たり前ですが、小田急にも昔はロングレールではない区間が多く存在していました。
そこで、1980年頃はどのような状況だったのかを調べてみました。

この時代、東京都内は既にロングレールとなっている区間が多くありました。
現在と違うのは、所々に定尺レールの区間が残っているのと、曲線部は多くが定尺レールのままでした。
それでも、直線部で定尺レールのままとなっている区間もあり、まだ鉄道らしい走行音が楽しめたようです。

しかし、多摩川を渡ると状況が変わってきます。
ロングレールとなっている区間は直線部を中心にあるにはありますが、都心部より定尺レールのままの区間が明らかに増えてきます。
百合ヶ丘付近、町田一帯を中心とした丘陵地帯では、ほとんどが定尺レールのままだったのです。

ロングレールは直線部が長い区間に点在し、鶴川付近や相模原市内が該当します。
そして、驚くのはその先のほとんどが定尺レールのままであることです。

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全線で見た場合には、定尺レールの区間のほうがまだ多かったのだと思われます。
ロングレール化は、この時期にかなり進められていたようで、1980年代の後半になると、都心部はかなりロングレールの割合が増えていきます。

小田急に乗っても、現在はほとんどジョイント音を聞くことがなくなりました。
走行音が騒がしかったあの時代、一回だけでもタイムスリップしてみたいものです。