小田急の通勤型車両で最後に4両の編成が増備され、現在も多くの4両が活躍している1000形。
10両に改造された編成もありますが、まだ多くの4両が残っており、6両と組んでの優等運用や、箱根登山線内での折り返し運用に使われています。

さて、1000形といえば代表的な使われ方として、4両を2編成繋いだ8両がありました。
近年はあまり見ることができなくなったこの使われ方ですが、以前はワイドドア車の4両も組み合わせて、かなり多くの8両が走っていたのです。
東京メトロ千代田線への直通編成を除くと、むしろ8両ではない使われ方をする編成のほうが珍しかったぐらいです。

それぐらい4両は8両を組むのが当たり前だったのですが、ある時を境にその状況が一変しました。
それが2004年から始まった、3000形の8両固定編成の増備です。

それまでの小田急では、多くの4両が8両として走っていましたが、中間に入る先頭車は不要な存在となっていました。
2600形や2000形を中心として8両固定編成化を行っていた小田急でしたが、より一層の固定編成化を進めるため、3000形の8両固定編成が登場したのです。

最初の編成である3651Fが登場すると、4000形の4両編成が置き換えられていきました。
単独で使われていた古い4両の車両を2本廃車して3000形に置き換え、8両を組んでいた1000形をばらしてそこに充てることで、8両の固定編成化を推進したのです。

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各停を中心として活躍していた1000形は優等運用が中心となり、10両の新宿方に繋がることが多くなりました。
ワイドドア車の4両については6両化され、1000形同士で10両を組む機会が増えていきました。

こうして1000形の4両が各停に使われる機会は激減し、急行や快速急行が活躍の中心となったのです。
昔は1000形といえば各停のイメージだったのですが、今は真逆のイメージになっているのかもしれませんね。