1975年に登場し、45年が経過した2020年になっても現役で活躍している東急8500系。
製造期間が長かったという点はありますが、関東の大手私鉄ではかなり長生きをしている車両となっています。

近年になって置き換えが進み、さすがに見る機会が減ってきた印象ですが、今まで残っていたというのが驚異的といえます。

そんな8500系ですが、2003年度から置き換えが開始されながらも、2008年度の廃車後に中断されるという経緯がありました。
東横線と東京メトロ副都心線の相互直通運転開始に向けて、設備投資が東横線に偏ったという事情はありますが、2008年といえば思い出すことがあります。
それはアメリカ合衆国の投資銀行である、リーマン・ブラザーズ・ホールディングスが経営破綻したことによって引き起こされたリーマン・ショックです。

東急はリーマン・ショックによって、不動産や株の関係で財務状況が悪化したといわれています。
その影響で多数の8500系が今日まで生き残ったといわれており、鉄道ファンとしては楽しい状況が形成されました。

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しかし、2018年度から置き換えが再開され、8500系は徐々に数を減らすようになりました。
今度は全編成が置き換えられることになると思われますが、その置き換えの最中に今度はコロナショックが直撃するということに、8500系が背負った不思議な運命を感じてしまうのです。