EXEで分割併合が可能な10両編成を採用し、その後MSEも同様とした小田急のロマンスカー。
近年は展望席を備えた車両が少なくなり、20m車の10両編成が多数派となっています。

現在はVSEとGSEが展望席を備えた車両となっていますが、その数は合計で4本にまで減少しています。
さらに、GSEは伝統だった連接構造をやめ、20mの7両編成となっています。
7両編成という中途半端な長さになっているのは、箱根登山線に乗り入れが可能な範囲としたためで、11両の連接車とほぼ同じ長さとなっています。

そこで私が気になったのは、20mのボギー車とした時点で、分割併合が可能な展望席を備えたロマンスカーにするという選択肢はなかったのかという点です。
分割併合が必要になると、駅での停車時間が若干延びるという問題がありますが、展望席があるという加点要素があれば、そこまで気にならないのではないかと思うのです。

2020年のダイヤ改正では、観光ニーズが高い時間帯の定員数を増加させるため、スーパーはこね号にEXEを充当するという変更が行われました。
展望席というアピールポイントを若干犠牲にし、需要に対応できる車両を充てることにしたのです。

言い換えれば、観光ニーズが高い時間帯においても、10両編成を走らせるだけの需要があるということになります。
そこで考えたくなるのが、10両で走る展望席を備えたロマンスカーなのです。

分割併合が必要な車両とした場合、中間に入る先頭車はEXEやMSEのような構造とする必要があります。
それは若干ハンデではあるのですが、下り列車は全区間を展望席とすることができますし、上り列車も小田原からは展望席にできます。
そもそも上り列車は旅行からの帰りというパターンが多いので、疲れた状態の乗客からは、どちらかといえば快適性のほうが求められるかもしれません。

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次に登場するであろう80000形は、いったいどのような変化を見せてくれるのでしょうか。

EXEで輸送量の最大化を、VSEで伝統への回帰を、MSEで地下鉄直通という変化を、GSEでは伝統と現実の調和を見せてくれた小田急のロマンスカー。
しばらくは現在の体制になりそうですが、その後に起こる変化も楽しみですね。