1969年に2600形が塗装変更され、ケープアイボリーにロイヤルブルーの帯を巻いた姿が標準となった小田急の通勤型車両。
時期によって帯の色が若干変化はしていますが、ステンレスの車体になっても青い帯を巻く姿は変わることなく続いてきました。

小田急の帯は、8000形までのケープアイボリーの車両では、塗装によって帯が表現されていました。
これに大きな変化が起きたのは1000形の登場時で、無塗装の車体を実現するため、帯はカッティングシートを貼り付けたものとなりました。
このタイミングで帯の色も若干変化し、一時的に異なる色の帯が混在したものの、従来形式もカッティングシートに変更されたことで、最終的には統一されていきました。

それ以来、2000形、3000形と登場し、3000形で前面の帯が例外的に細くなる程度の変化しかありませんでしたが、4000形の登場によって変化が生じます。
しばらく変化がなかった帯の色が変更され、ずっと同じ名前で呼ばれていた色の名称も公式に変わり、インペリアルブルーと称されたのです。

その後しばらくは4000形の帯色だけが違う状況でしたが、結局従来形式にも変更される車両が出始め、1000形以降の形式は混在する状況となっています。
しかし、ステンレス車は全車インペリアルブルーの帯になっていくのだと思っていたところ、最新の5000形で再度大きな変化が生じました。

今度の変化はもっと大規模なもので、今まで1色だった帯が2色となり、アズールブルーとインペリアルブルーの2本が巻かれるようになりました。
今までは帯の色だけだった変化が、ついにデザインまで及んだというのは、小田急ファンの私には衝撃的なことでした。

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小田急といえば青くて太い帯を巻いた車両、その常識が年々通じなくなってきました。
確立されたブランドイメージだったと思いますが、近年の小田急はどこを目指しているのか正直分からなくなってきました。

変えるならしっかりと変える、それができないのであればきちんとイメージを守る、どちらかにしたほうが良いと思うのですが、近年はどれが基本なのかさえ曖昧になってきています。
似合うか似合わないかはあまり問題ではなく、5000形の新しいパターンも新鮮で良いのですが、小田急といえばこれというものが、どんどんなくなってきているような気がするのです。

これから先、従来車はインペリアルブルーの帯に統一し、5000形だけを別のデザインとしていくのか、それとも従来車が再度変更されていくのか、興味深いところです。