JR東日本のE233系をベースとして、2007年に登場した小田急4000形。
東京メトロの千代田線に直通することを前提として設計されており、現在はJR東日本の常磐緩行線にも顔を出しています。

地下鉄直通用として製造が開始されて以降、4000形は160両が製造され、全て10両固定編成となっています。
小田急の中では編成ごとの差異が少ないことが特徴で、E233系をベースとしている点もあって、どちらかというと異色の存在です。

そんな4000形ですが、私は元々計画されていた形式ではなかったのではないかと思うのです。
なぜかといえば、3000形は400両以上を製造する計画があったようで、増備の途中でその計画が変更になっているようなのです。

3000形の製造は2001年に開始され、4000形の製造開始までに312両が出揃いました。
2007年からは4000形の製造に移行していますが、3000形の製造途中である2003年に起きたのが、大韓民国の地下鉄での放火事件でした。

この事件の発生により、4両と6両を繋いだ1000形の10両を地下鉄直通運用から撤退させる必要が生じてしまいました。
4000形がE233系をベースとしている理由の一つに、設計を短期間で終える必要があったというのもあるのかもしれません。

4000形は2007年度に70両が一気に製造され、あっという間に1000形の分割編成を地上運用に押し出しました。
2008年度は増備がなかったことからも、分割10両をできるだけ早く地下鉄直通運用から外したかったことがうかがえます。

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そして、もう一つの理由として考えられるのが、常磐緩行線との直通運転の計画です。
4000形が製造された段階で、既に具体的な計画として調整が始まっていたのではないかと思うのです。
E233系をベースとした車両であれば、比較的簡単に直通運転が可能となるので、当初から将来の計画に向けて動き出していたのではないでしょうか。

地上運用に転用された1000形は100両ですが、その両数を3000形の2007年までの製造両数である312両に足すと、だいたい400両程度となってきます。
3000形の6両を後に10両化したりしている点から考えても、この時期の車両製造計画に色々と変更があったことが推測できます。

真相については全く分かりませんが、色々と計画変更があったことだけは、間違いなさそうです。