2018年に代々木上原から登戸までの複々線が完成し、都心部の輸送力が増強された小田急。
近年は各駅停車の10両化が行われており、改良された設備を最大限活用する取り組みが進められています。

最近は3000形の10両化が一段落し、落ち着いた状況が続いていますが、将来的には8両の列車をなくしていくものと予想していました。
しかし、新型コロナウイルスの感染拡大によって、小田急における輸送力拡大は先行きが不透明な状況になってしまったといえます。

小田急に限ったことではありませんが、一部の企業がテレワークを推進するようになったことで、今後の通勤需要に変化が出てくることが推測されます。
オフィスで働く一部の人が減るだけのように思われますが、都心部で働く人が減少した場合、お店や飲食店の需要も減少するため、長期的に見るとかなりの変化が生じると考えられます。

また、企業の立場で考えると、オフィスを縮小して交通費を削減することを前提とした場合、週に2日程度のテレワークではあまり意味がないため、週に1日しか都心に行かないといった人も出てくるでしょう。
日本人を長年悩ませてきた満員電車の問題は、意外なことをきっかけに改善に向かう可能性があります。

しかしながら、鉄道会社としては頭の痛い問題でもあります。
小田急は複々線化によって輸送力を増強することで、増収を目指していくことを念頭に置いていました。
混雑が想定以上に解消してしまうと、投資効果が得られなくなってしまうのです。

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テレワークが今後どの程度定着するのか等、先が予測しにくい状況となってきました。
一つだけ言えることは、新型コロナウイルスが出現する前の状況に戻ることだけは、絶対にないということです。

通常なら4月の終わり頃に発表される小田急の鉄道事業設備投資計画が、今年はまだ発表されていません。
既に計画が変更されるような状況になっていると推測できます。

今までの動きから予想ができた今後の輸送力増強は、しばらく様子を見るような状況になっていくのではないでしょうか。
設備投資が抑制されることは間違いないと思われるため、既に発表されている計画も含めて、色々な変更が発生するものと考えられます。

今後の小田急から、目が離せなくなってきました。
そして、一人の小田急ファンとして、今の危機的な状況の中でも頑張っている小田急を応援していきたいと思います。