2018年のダイヤ改正において、東京メトロ千代田線との直通がほぼ廃止され、通常は自社の車両しか走らなくなってしまった小田急多摩線。
現在の急行は新宿と唐木田の区間を走るようになっており、自社の車両のみが充当されています。

ところで、多摩線が千代田線と本格的な直通運転をするようになったのは、2002年のダイヤ改正のことでした。
このダイヤ改正で多摩急行が登場し、多摩線の利便性は飛躍的に向上しました。

沿線民からも親しまれた多摩急行は、2016年のダイヤ改正で多くが急行に変更され、同時にJR東日本の常磐緩行線とも相互直通運転が開始されました。
多くが急行になるという変化はありましたが、直通の多くは多摩線方面であり、基本的なパターンは維持されていたことになります。

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この状況が激変したのは2018年のダイヤ改正で、多摩線と千代田線方面をダイレクトに結ぶ列車は絶滅に近い状態となったのです。
理由として考えられるのは、千代田線と直通する列車は緩行線を走らせたいというもので、代々木上原付近での相互支障を避けたかったのでしょう。

しかし、利便性を維持する観点からは多摩線に急行以上の種別を設定しておく必要があり、その結果が現在の状況を生んでいるものと考えられます。

仮に多摩線と千代田線の直通を復活させる場合、私は選択肢が二つあると考えています。
一つは代々木上原の相互支障を容認し、急行を中心とした直通を復活させる。
もう一つは、各停や準急を直通させ、小田原線の各停の一部を新百合ヶ丘で系統分離するというものです。

どちらもデメリットがあるため、正直なところあまり現実的ではないように思います。
結局のところ、現在の運転パターンが丁度良いのかもしれませんね。

しばらくは現在の状態が続きそうな気はしますが、日中の準急を上手く使えていない気はするので、今後何らかの変更はあるかもしれません。
趣味的な観点では、多摩線にも他社の車両が走ると面白いのですが、そう簡単でもありませんね。