ロマンスカーといえば展望席、それぐらい強いブランドイメージを定着させている小田急。
現在はVSEとGSEの2形式が展望席を備えていますが、その数は合計で4編成となっており、以前と比べるとだいぶ少なくなってしまいました。

小田急のロマンスカーにおいて、運転室を2階に上げ、乗客が前面展望を楽しめる展望席を設置したのは、NSEが最初でした。
NSEは合計で7編成が登場し、一気にロマンスカーといえば展望席というイメージを定着させたのです。
そして、国鉄の御殿場線に乗り入れるため、SEが改造されて6編成となった後は、13編成のロマンスカーで活躍する時期がしばらく続きました。

その後、LSE、HiSEが展望席を備えた車両として登場し、NSEと合わせて15編成もの展望席があるロマンスカーが活躍する状態となっていきます。
これが最も小田急で展望席があるロマンスカーが在籍した時期となり、HiSEの最終編成が増備された1989年から始まったことになります。

やがてRSEが登場してSEが引退する流れとなりますが、SEが全車廃車となった1992年からが、最も展望席があるロマンスカーの比率が高い時期となっています。

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その比率は驚異的なもので、NSEが7編成、LSEが4編成、HiSEが4編成、RSEが2編成というもので、全17編成中の15編成に展望席がある状態となっていたのです。
その比率は約88%というもので、ロマンスカーのほとんどがと表現して良いものでした。
RSEはJR東海の御殿場線に直通する運用が基本でしたから、小田急線内だけを走るロマンスカーは展望席がないことが珍しいぐらいだったことになります。

しかし、その黄金期は長く続かず、1996年にEXEが登場して以降展望席を備えたロマンスカーは減り続けることになります。
現在は前述のように4編成のみとなり、最盛期の15編成と比べるとかなり減ってしまいました。

それでも小田急ロマンスカーといえば展望席であり、一度は座ってみたい憧れの席となっています。
もう少し増えてくれると嬉しいものですが、今のような希少価値が高い状態も良いのかもしれませんね。