長い間通勤型車両の編成単位での廃車がなかった小田急において、2000年から大量置き換えが開始されました。
最初に廃車となったのは2600形でしたが、VVVFインバーター制御の2666Fからだったこともあり、当時の衝撃はなかなかのものでした。

車両の置き換えはそれ以降毎年行われ、2600形、4000形、9000形、5000形の順番で進められていきました。
廃車は必ずしも製造順というわけではなく、5000形の一部よりも新しい9000形が先に廃車となったりしています。

当時の状況を振り返ってみると、全車両に対して共通で行われる工事が多く、その有無で次の廃車形式が推測できる状況となっていました。

まずはパンタグラフのシングルアーム化です。
9000形以降の形式に施工されたことにより、2600形の次に廃車となるのは4000形だと推測が可能でした。

また、当時積極的に進められていた方向幕の英字併記化が2600形だけに行われなかったため、2600形と4000形の廃車順序は入り乱れないと考えられていました。
実際には、旧塗装化で2670Fが延命されたため、2600形より早く廃車になる4000形がありました。

4000形の次に廃車になった9000形は、転落防止用外幌の設置有無で、5000形より先に廃車となることが分かっていました。
9000形よりも古い5000形が存在していましたが、まずは9000形から廃車になるのは容易に推測が可能だったのです。

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このようにして廃車順序が推測可能だったのですが、次に廃車やリニューアルがされる編成が分かる場合もありました。
幕が破損した場合等に、一部だけが英字併記のない旧幕に戻される場合があり、それが次に廃車やリニューアルをされる編成というのが定番だったのです。

現在は昔ほど共通で行われる工事がなくなったので、簡単には推測ができなくなってしまいましたね。